DIARY

Life is really simple, but we insist on making it complicated.

植物のエナジーを吸い取る女

今年も、夫が育てている鉢植えの小さな木に花が咲いた。冬は枯れ枝のようだったのに、春が近づくにつれて少しずつ葉が増えていき、ちゃんと花を咲かせた。

その横にある鉢植えは小さなブルーベリーで、そちらも葉っぱが増えて、何やら蕾のようなものができている。その向こうにあるオリーブの鉢植えは、ニョキニョキ大きくなるので彼は時々剪定している。成る実も、年々増えてきている気がする。

適当な水やりなのに、夫は植物を育てるのが上手い。私は逆に、とにかく植物の栽培が下手だ。下手というよりも、向いていないんだと思う。子供の頃からそうだった。小学一年生必須の朝顔の栽培も、みんなと同じキットを使ってるのに一人だけ芽が出なくて、やっと出た芽は伸びなくて、夏休みの観察日記を免除された。向日葵の栽培も、みんなと同じ花壇に植えたのに私のだけ育たずに終わった。そんな私の母も、夫と同じく植物を育てるのがとても上手い。空き地を見事な菜園にしたり、日の当たらない裏庭にバラを咲かせたり、「切り落とした部分を植えてみたら生えてきた」とアスパラを一階の屋根に届くんじゃないかってくらい大きくしていた。親子とは思えない。

そんな私だけど、緑のある暮らしには憧れがすごくあって、これまで様々なものに挑戦してきた。強いはずのハーブやポトスはもちろん、その他の簡単だと言われている植物、アロエ、エアープランツ…色々と果敢にチャレンジしてきた。けど、どれもこれも育たずに終わったり、カサカサに枯れた。ヒヤシンスの水栽培なら…と挑戦してみたら、芽が出た!と喜んだものの90度真横に曲がって育ち、花は思うほど開かなかった。90度真横に曲がるって何?

「私は、植物の持つ生きるエナジーを吸い取ってしまうのだ」と思って、いつしか自分で栽培することを諦めることにした。

それでもやっぱりほのかな憧れは残っていて、ダイニング横の棚に置きたくて、数週間前についつい小さな苔玉を買ってしまった。が、すでに葉はカサカサになってしまっている。またもや小さなエナジーを吸い取ってしまい、私は今日も元気に生きている。